一般社団法人日本HACCP支援協会一般社団法人日本HACCP支援協会

HACCPとは

HACCP誕生のきっかけ

NASA(アメリカ航空宇宙局)での宇宙開発計画(アポロ計画)の一環として、宇宙飛行士の食(宇宙食)に対し、「絶対の安全性」を提供するために考えられた手法。
食品会社ピルスベリーの責任者バウマン博士が、技術的・科学的な根拠に基づいた工程管理により、すべての製品を保証するシステムを考えた。
原材料と工程に内在する危険な要因を抽出し、それらが及ぼす影響を評価・解析して、危険発生の予防対策を策定・実施することで、「絶対の安全性」を確保した。

世界ではHACCPは常識に!(HACCPやっていない=危険なイメージ)

世界のHACCP実施状況

日本HACCPの制度化(義務化)のきっかけ

◆前回の食品衛生法等の改正から約15年が経過し、世界構造の変化を背景に、調理食品、外食・中食への需要の増加等の食へのニーズの変化
◆都道府県等を超える広域な食中毒の発生や食中毒発生数の下げ止まり等、食品による健康被害への対応が急務
◆2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催や食品の輸出促進(1/20首相演説)を見据え、国際基準と整合的な食品衛生管理が求められるようになった

日本HACCPの制度化(義務化)の内容

食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)の概要 ◆広域的な食中毒事案への対策強化
◆HACCPに沿った衛生管理の制度化
◆特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
◆国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
◆営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
◆食品リコール情報の報告制度の創設

営業者は、定められた基準に従い、厚生労働省令で定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。

食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)

法第50条の2 厚生労働大臣は、衛生上必要な措置について、厚生労働省令で、次に掲げる事項に関する基準を定める。
一 施設の内外の清潔保持、ねずみ及び昆虫の駆除その他一般的な衛生管理に関すること。
食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組
(小規模な営業者(器具又は容器包装を製造する営業者及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第六条第一項に規定する食鳥処理業者を除く。次項において同じ。) その他の政令で定める営業者にあっては、その取り扱う食品の特性に応じた取組)に関すること。

営業者は、定められた基準に従い、厚生労働省令で定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。

HACCP 7原則12手順

手順1 HACCPのチーム編成 製品を作るために必要な情報を集められるよう、各部門から担当者を集めます。HACCPに関する専門的な知識を持った人がいない場合は、外部の専門家を招いたり、専門書を参考にしてもよいでしょう。
手順2 製品説明書の作成 製品の安全について特徴を示すものです。原材料や特性等をまとめておくと、危害要因分析の基礎資料となります。レシピや仕様書等、内容が十分あれば様式は問いません。
手順3 意図する用途及び対象となる消費者の確認 用途は製品の使用方法(加熱の有無等)を、対象は製品を提供する消費者を確認します(製品説明書の中に盛り込んでおくとわかりやすい)。
手順4 製造工程一覧図の作成 受入から製品の出荷もしくは食事提供までの流れを工程ごとに書き出します。
手順5 製造工程一覧図の現場確認 製造工程図ができたら、現場での人の動き、モノの動きを確認して必要に応じて工程図を修正しましょう。
手順6
【原則1】
危害要因分析の実施(ハザード) 工程ごとに原材料由来や工程中に発生しうる危害要因を列挙し、管理手段を挙げていきます。
手順7
【原則2】
重要管理点(CCP)の決定 危害要因を除去・低減すべき特に重要な工程を決定します(加熱殺菌、金属探知等)。
手順8
【原則3】
管理基準(CL)の設定 危害要因分析で特定したCCPを適切に管理するための基準を設定します。(温度、時間、速度等々)
手順9
【原則4】
モニタリング方法の設定 CCPが正しく管理されているかを適切な頻度で確認し、記録します。
手順10
【原則5】
改善措置の設定 モニタリングの結果、CLが逸脱していた時に講ずべき措置を設定します。
手順11
【原則6】
検証方法の設定 HACCPプランに従って管理が行われているか、修正が必要かどうか検討します。
手順12
【原則7】
記録と保存方法の設定 記録はHACCPを実施した証拠であると同時に、問題が生じた際には工程ごとに管理状況を遡り、原因追及の助けとなります。